猫のかゆみの改善方法(猫のアレルギー性皮膚炎)

アレルギーによって起こる猫のかゆみと、その改善方法、治療方法について

アレルギーによる猫の皮膚の痒みと根本的な改善方法について

猫が体をしきりに掻き毟るなどして、いつも痒がっている場合には、何らかのアレルギーが生じている可能性があります。

 

アレルギーは、細菌やウイルスなど、体にとって有害な物を排除する免疫機能が、無害な物に対しても過剰に反応するようになる病態です。

 

そのため、免疫機能の過剰反応、暴走、誤作動などと表現される事がよくあります。

 

その原因は、遺伝による先天的な影響によって、もともとアレルギーが起こりやすい体質であったり、食事や生活環境などの後天的な影響によって、アレルギーが引き起こされる場合もあります。

 

子猫のうちは免疫力が未成熟なため、成長とともに少しずつ免疫機能が強化されていき、自然に改善していく場合がありますが、老猫の場合は、内臓疾患、ホルモンバランスの変化、新陳代謝の低下、排泄(解毒)機能の低下、神経や血管の損傷など、加齢によって免疫力が少しずつ弱体化しているため、自然治癒が難しい場合が多い傾向にあります。

 

また、猫免疫不全ウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症にかかり、免疫機能が正常な働きを失ってしまい、免疫介在性溶血性貧血(免疫機能が赤血球を誤って破壊してしまう病態)など、免疫機能の誤作動が起こりやすくなる場合もあります。

 

このようにして、本来は体を守る働きを持つ免疫機能が、自己の細胞を異物(抗原)と認識して攻撃してしまうアレルギー反応は、自己免疫疾患と呼ばれています。

 

アレルギーの根本的な改善は、毎日食べるキャットフードの種類を変更したり、フードの保管状態や飲み水の衛生面にも注意したり、身の周りの生活環境をなるべく清潔に保つなどして、アレルギーを引き起こしている可能性のあるアレルゲンを、少しでも生活環境から排除していく事が大切になってきます。

 

また、猫の体に存在している細菌や真菌(カビ)が、皮膚の痒みをひどくしたり、アレルギーを誘発する場合もありますので、皮膚や被毛の汚れをこまめに取り除くなどして、猫の体を清潔に保つ事も重要です。

 

皮膚を掻き毟って弱くなった部分に、細菌や真菌が寄生すると、膿やかさぶたといった二次的な病変が起こる場合があり、症状が複雑化して治りにくくなってしまう場合がありますので、アレルギーなどで皮膚が弱くなっている場合には、特に注意が必要です。